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フィッシングフローター進化の軌跡と当社の挑戦|BLOG

2025.01.10

フィッシングフローター進化の軌跡と当社の挑戦

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自然との一体感を楽しめる釣りは、澄んだ空気や美しい景色を楽しめる最高のアクティビティ。しかし、どれだけ素晴らしい釣り場を見つけても、使う道具によってはその楽しさが半減してしまいます。

特に岸釣りやボート釣りの場合、場所や機材に制限が多く、思うように釣りを楽しめないと感じることも少なくありません。そんな中、釣りの新しい楽しみ方として登場したのが「フローター」です。

フローターとは、水面で浮かびながら釣りや狩りをするための小型ボートのこと。フローターという名称は日本独特の呼称であり、発祥の地・アメリカではニューマティックスポーツボートやフロートチューブと呼ばれています。

では、フローターはどのように誕生し、どのように進化してきたのでしょうか?

この記事では、フローターの歴史と課題、当社フローターの特徴についてお話していきます。

目次

フローターの誕生とその背景
1895年:フローター誕生
1980年代:U字型フローターが登場
1990年代:V字型フローター(カタマラン)発売

ジョイクラフト・フローター開発の歴史
1998年:インフレータブル用ボート布・大口径エアバルブを採用
2000年:ドライとウェット両方のモデルをラインナップ
2005年:エアフロアやダイナキールによる使用感向上

ジョイクラフト現モデルのご紹介

社長から皆様へ

フローターの誕生とその背景

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1895年:フローター誕生

フローターが誕生したのは今から約130年前、1895年頃のアメリカです。

今でこそ釣り用として広く親しまれているフローターですが、実はアメリカではフィッシング用というより、むしろハンティング用として開発・発展を遂げてきたことが分かっています。

当時のアメリカは環境保全に熱心で、州法によって湖川でのエンジンの使用が禁止されていました。しかし、アメリカの広大なフラットランドレイクでは、エンジン搭載のボートがなければ目的のポイントに到達することさえできません。

加えて、一般的なボートは重くかさばるため使用できるスポットがかなり限られており、山間部や湖沼での釣りやハンティングには不向きでした。

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「これでは思うような漁(猟)ができない」「もっと手軽に楽しむ方法はないか?」

悩んだ彼らが思いついたのは、「タイヤチューブに簡易的な椅子を取り付けて乗り込む」というアイデアでした。

 

▼タイヤチューブを布で覆っただけの簡易的なフローター

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参照:A brief history of float tubes and cool magazine ads

この記事のフローターは、重さ約7kg程でした。

 

写真からもわかる通り、当時のフローターはけっして完成度が高いとはいえませんでした。しかし、「軽くてコンパクト」「手軽に使える」というコンセプトは、当時の釣り人やハンターたちにとって大きな魅力だったのでしょう。非常に簡易的なものであるにもかかわらず、フローターは当時の漁(猟)になくてはならない存在となりました。

その後、1940年代にはタイヤのインナーチューブによく似た、簡易的で軽量なエアチューブをキャンバスで覆った製品が複数のメーカーから登場。フローターの本格的な市場参入が始まりました。

 

▼背当て・物入れ・メッシュテーブルも装備

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参照:A brief history of float tubes and cool magazine ads

1980年代:斬新なU字型フローターが登場

さらに、1970年代から1980年代には多くのブランドがフローターを積極的に販売し、新聞や雑誌の広告をよく見かけるように。特に1980年代には世界初のU字型フローターが登場し、その斬新なデザインは当時の釣りの世界に大きな影響を与えました。

 

▼知名度向上に伴い、デザイン性にも力が入った

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参照:A brief history of float tubes and cool magazine ads

1990年代:V字型フローター(カタマラン)発売

また、1990年代にはV字型のフローター(カタマラン)が登場。双胴タイプのフローターとして販売されましたが、構造が複雑なぶん高価だったため、価格競争に勝てず、残念ながら発展しなかったようです。

 

▼高価で人気が出なかったV字型フローター

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参照:A brief history of float tubes and cool magazine ads

従来のフローターの課題

シンプルで扱いやすい一方、当時のフローターには多くの課題がありました。

たとえば、フローターでの釣行中は腰や尻まで水に浸かるため、長時間の釣りにはチェストウェーダーが必要です。しかし、一般的なチェストウェーダーは暑くて蒸れるうえ、着脱にも手間がかかります。

加えて、水が内部に侵入してくると重くなるため、万が一転覆してしまうと非常に危険という問題点もありました。当時のフローターはウレタンフィルムに布カバーをかけたような簡易的なもので、一度濡れると乾かすのにかなりの時間がかかり臭いやすい点も、使用をためらう要因の1つだったといえるでしょう。

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さらに、従来のフローターは空気を入れる・抜く作業に膨大な時間と労力が必要で、釣りに出かける前から疲れてしまうのが普通でした。加えて操作性にも課題があり、まっすぐ進みたい場面でもフラフラと蛇行してしまうため、「疲労感が大きい」「操作に手間取って釣りに集中できない」と不満の声も多かったのです。

多くの釣り人たちに親しまれているからこそ、厳しい評価が多かったもの。それがフローターというアイテムでした。

 

ジョイクラフト・フローター開発の歴史

「せっかく良いものなのに、これでは十分に活用されない」「従来の課題を無くすにはどうすべきか」

ジョイクラフトがより良いフローター開発に乗り出したのは、1998年のことでした。

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ここからは、ジョイクラフトがこだわったフローター開発の詳細について解説していきます。

 

1998年:インフレータブル用ボート布・大口径エアバルブを採用

まず取り組んだのは、水を吸うと重くなり、乾燥に時間がかかって臭いやすいという問題を取り除くことです。当時、フローターに使用されていた安価なボート布は太陽光で劣化する、草木や石によって破れやすいなど耐久性に難があり、到底良いものとはいえませんでした。

そこで、ジョイクラフトは高性能インフレータブルボート(膨張式)の高品質なボート布を採用。水を一切吸わない仕様にすることで、陸に上がってからものの数分でカラッと乾く、理想的なフローターを開発しました。これは当時のフローター市場にとって革新的なものであり、長年インフレータブルボートの開発に取り組んできた当社ならではの斬新なアイデアでした。

また、大口径のインフレータブルボート用エアバルブ(口栓)をフローターに採用したのも、ジョイクラフトが世界で初めてです。

 

▼ジョイクラフトが採用したエアバルブ(一例)

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当時、フローター内部の空気を抜き入れするには15~30分近くかかるのが一般的でした。というのも、当時のフローターは空気が漏れないことを前提に設計されたタイヤ用バルブを使用しており、使用者による繰り返しの充気・排気を想定していなかったのです。

一方で、日本の限られた住環境では大きなボートをそのまま保管するのは難しく、多くの人が「小さく畳んで収納できるフローターが欲しい」と考えていました。

結果、大口径のインフレータブルボート用エアバルブを使用するというアイデアは大成功。充気に数分、排気に約1分と、これまでのフローターでは考えられないほど短時間で空気の抜き入れが完了し、準備や片付けの時間が大幅に短縮されました。

 

2000年:ドライとウェット両方のモデルをラインナップ

その後、2000年には現在の「ワンダーマグ185」の前身となる「LBB-165」を開発。このモデルは、オールとエレキが使用できるモーターマウントを備えたソロアングラー専用のバスボートとして販売されました。

当時、機動性の高いソロアングラー用のバスボートはほとんどなかったため、「釣りの可能性が広がった」と多くのお客様から喜びの声をいただけたことは、非常に嬉しい思い出です。

 

▼2000年に発売した【LBB-165】
水に浸からないドライタイプ

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▼2003年発売の大型フローター【FB-1デュオ】
足首までしか水に浸からないセミドライタイプ

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なお、ジョイクラフトでは「ドライ」と「ウェット」両方のモデルを常にラインナップしてきました。それは、釣りのスタイルや好みは人それぞれ異なるからです。

たとえば、「臨場感のある釣りを楽しみたい」という方もいれば、「足を水につけずスマートに釣りをしたい」という方もいるでしょう。釣り人のニーズにしっかりと応えるためには、どちらか一方のモデルに偏ることなく、幅広い選択肢を提供することが大切だと、私たちは考えています。

ジョイクラフトではすべての釣り人が理想的な釣行を楽しめることを目指しているため、ぜひ最適なモデルを見つけていただけると嬉しいです。

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【FB-165】2025年カタログページ
【Wonder Mug】2025年カタログページ

 

2005年:エアフロアやダイナキールによる使用感向上

ジョイクラフトの工夫は、これだけではありません。

2005年には、腰やお尻が水に浸からないよう、全モデルにクッションシート(7cm厚のリジッドフレックスシート)を搭載しました。

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これにより、水に浸かるのはふくらはぎから下だけになり、従来フローター釣りに必須だったチェストウェーダーの着用も不要に。丈の短いヒップウェーダーだけで済むようになったことで、釣行中の暑さや着用の煩わしさから解放されました。これも、従来のフローターにはなかった、ジョイクラフトならではの斬新なアイデアです。

 

▼2019年開発の荷室とシート一体型のモデル

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また、フローターの直進性に着目し、底部に高さ7cm、長さ40~50cm前後のダイナキールを搭載したのも2005年です。この改良により、キック時の横流れやふらつきを抑えることができ、より少ない力で目的のポイントに速く、スムーズに移動できるようになりました。

 

▼フローターとボートの融合モデル【FB-165】

2001年に開発した「LBB-165」と2003年に開発した「FB-1デュオ」が、マイクロトランサム付きモデルに発展。

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開発を始めてから約25年。ジョイクラフトは毎年のようにフローターを改良し、より良い製品を目指してきました。現在、フローターを製造しているメーカーは多くありますが、水がしみこまないボートクロス大口径エアバルブエアフロアの装備機動性の高いオール付きなど、今日のフローターの形を作り上げたのはジョイクラフトだと、私たちは自負しています。

 

ジョイクラフト現モデルのご紹介

2025年現在、ジョイクラフトではさまざまなフローターをご用意しています。

今年は新たに2つのモデルが加わり、さらに選択肢を広げました。

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各モデルの詳細については、2025年版のカタログで詳しく紹介しています。

製品カタログ2025

なお、フローターをはじめ、全ボートの設計において当社が重視しているのは、「軽くて強い」ことです。

通常、ボートの強度を上げようとすると重量が大きくかさばるため、運搬や収納など、あらゆる場面で扱いにくくなります。しかしジョイクラフトでは、空気構造体の学術的な知識と長年の経験をフル活用することで、本来は相反する特長である「軽さ」と「強さ」の両立を実現しました。

現在、ジョイクラフトのフローターはすべて非常に軽く、従来のボートでは考えられないほど扱いやすいと、多くの方にご好評いただいています。

軽い・丈夫・高機能なフローターを使った釣行は、一般的なボートではなかなか味わえません。従来のフローターの使いにくさを改善し、釣りを快適に楽しむための機能が詰まったジョイクラフトのモデルには、現代のフローターに必要な要素が揃っています。

 

  • 伝統的な信頼できるメーカーがいい
  • 常に時代を先駆けてきた商品を試してみたい
  • しなやかで洗練されたデザインのフローターが欲しい
  • もっと優れた性能のフローターに興味がある
  • 快適な釣りを思いっきり楽しみたい

 

このようにお考えの方は、ぜひジョイクラフトのフローターをお試しください。

きっと、これまでにない喜びと充実感を実感していただけるはずです。

社長から皆様へ

私たちがフローターを開発する上で大切にしてきたのは、釣り人たちの「もっと楽に、もっと自由に釣りを楽しみたい」という思いに応えることです。

釣りを心から楽しむために重要なのは、余計なことを考えず、釣りに集中できる環境を作ること。ポイントに行くまでに疲れてしまうようなフローターは、けっして優れたアイテムとはいえません。

ジョイクラフトでは、釣りを愛する方々が道具に煩わされることなく、思う存分、釣行を堪能できる世界を作りたいと考えています。そのためには、既存のフローターの課題をひとつひとつ解決し、更に進化させていくことが必要でした。

今あるもので妥協したり、特定の声だけを拾ったりするのではなく、自分自身が「これはいい!」と思えるものを作る姿勢こそが、メーカーの正しい在り方だと私は思います。

 

1日の終わりに「今日の釣りは楽しかったな」「でかけてよかったな」と思っていただけるフローターを作りたい。

それはジョイクラフトの原点であり、これからも変わらぬテーマでもあります。

ジョイクラフトのフローターを少しでも多くの方が活用してくださることを、心より願っています。